Project Story

ららぽーと和泉開業プロジェクト インバウンドへの取り組み

施設の魅力を、海外のお客さまへ伝えたい。

近年、東アジアの国・地域を中心に、ショッピングを目的としたFIT*(海外個人旅行)客が激増。それにともない三井不動産商業マネジメントでも、海外からのお客様を誘致するインバウンド活動に特に力を入れています。成田空港からアクセスしやすい“三井アウトレットパーク 幕張”に勤務する、OPC*の鬼頭。日本文化を楽しめる“コレド室町”など都心商業施設の販売促進を本社で担当する、アーバン事業部の清水。そして、各施設のインバウンド活動を本部からサポートする、海外事業室の飯塚。近年本格始動したこの取り組みは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてさらに重要なテーマとなっていくでしょう。魅力的な商業施設のアピールと、充実した受け入れ体制整備の両面から、誘致促進に取り組んでいます。

*FIT:Foreign Independent Tourの略
*OPC:オペレーションセンターの略。 オペレーションセンターとは商業施設内にある事業所を指す。

三井アウトレットパーク 幕張(以下、MOP幕張)は当社運営施設の中でも、特に外国人観光客の方々のご来館が多い施設としてインバウンドに注力しています。都心から近いことや、空港へのアクセスのよさ。そして周辺環境にはホテルやイベント会場が備わっているという、立地特性の強さがMOP幕張の特徴と言えます。
2015年7月には施設の増床リニューアルがあったため、それを機に、さらなるインバウンドの強化を図りました。受け入れ体制の面からは、スマイルコールというタブレットを用いたテレビ電話の通訳サービスの告知を強化。館内サインは四カ国語に対応しました。他にも外貨両替機やATMを設置して、海外からのお客様がストレスなくお買い物できる環境を整えています。特に力を入れたのが、店舗に対する免税対応の促進です。直接店舗の本社にご連絡をして、幕張におけるインバウンド状況を何度もご説明しました。免税対応が難しいようであれば、「パスポートの提示で8%OFF」にするなどのお試し施策実施の検討をご提案。免税や割引といった「お得感」を与えることで、きっと来客数や売上があがる。そう信じていたからこそ、粘り強く交渉しました。結果として、免税対応店舗はそれまでの倍以上に増加。今では施設全体の約70%を占めるほどです。それに合わせて、店舗スタッフに訪日観光客への接客研修を実施。外国語が話せないスタッフでも安心して接客できるよう、当社で制作したコミュニケ―ションツールの使い方や簡単なあいさつの講習を行っていきました。
また、誘致施策のアプローチは施設内だけには留まりません。同じくインバウンドに力を入れている周辺のホテルに協力していただき、宿泊後施設に立ち寄ってもらえるようホテルのロビーに当社専用のラックを設置。当施設のフロアマップを置かせていただきました。
店舗や周辺の方々と日々コミュニケーションを取り、お客様動向を捉えていく。そして幕張という地域を一緒に盛り上げていくことが、OPCの役割だと思っています。完結することがないこのプロジェクトは、常に課題と向き合って改善に取り組む必要があります。まだ先行事例が多くないからこそ、新しいことにチャレンジができ、柔軟にアイデアを試せることがやりがいです。

コレド室町をはじめとする、日本橋周辺にある商業施設。外国人観光客誘致にあたり、最大の課題は「街としての知名度」でした。外国人観光客に人気の街と言えば、新宿、浅草、秋葉原、銀座……。日本橋は街自体があまり知られておらず、外国人を見かけることはそう多くありません。でも日本橋は、元々は江戸の中心地。つまり、日本の中心なんです。さらに深く日本文化に触れられる場所へと日本橋がなっていけたら。そういったアイデアのもと、プロジェクトは施設内の取り組みにとどまらず、街全体のアクションへと広まっていきました。
たとえば、日本橋案内所や周辺ホテルのコンシェルジュとの協力です。日本橋案内所では日本文化を紹介するツアーがあり、そのツアーの中では当社の運営する施設も多く紹介されています。そこで私たちは、そのツアーを外国人観光客がよく利用するホテルのコンシェルジュの方に体験していただき、施設や店舗の特徴を知っていただくことで、ホテルに宿泊する観光客の方々に当社運営施設をご案内いただいています。日本橋を楽しむことが、日本そのものを味わうことになってほしい。日本橋の周辺施設とも協力しながら、様々な施策を模索しています。今年の春節*には、日本橋にある相撲部屋の力士の方に来ていただいて餅つき大会を行いました。まだ数は少ないですが、外国人の方にも楽しんでいただけるイベントとなりました。これまでなかったようなチャレンジを今後もどんどん行っていきたいです。
私の仕事は、もっとたくさんの人に商業施設に来てもらう方法を考えることです。それが、日本のファンを増やしていくことにもつながっていると思います。来てくれた人が、日本の文化や日本そのものを好きになれるように。その発信地に、私たちの商業施設がなっていけるはずだと考えています。

*春節:旧暦の正月。中華圏で最も重要とされる祝祭日。

海外事業室は、会社全体でのインバウンド対応施策の企画立案・推進や、各OPCのインバウンド担当者と連携してその意見を取りまとめて施策に反映するなどのサポートを行っています。この業務は、施設の認知度アップや、外国人観光客を誘致することだけではなく、最終目的は商業施設としての売上向上。つまり私たちは、知ってもらって、来てもらい、買ってもらう。そこまでのことを考えてPR活動を行っています。
たとえば個人観光客向けの施策として、2015年夏からLCC(格安航空会社) と協力し、搭乗前の空港で当社の施設チラシを配っています。日本行きの航空券を購入しているお客さまを対象にしたのは、すでに日本に関心を持った旅行客の方々へ的確にアプローチするため。そして日本に来ていただくという最初のハードルはクリアしていたからです。配布する資料は搭乗の邪魔にならないよう、小さいカードサイズで作成。そこに海外向けHPのQRコードを載せて、空港のWi-Fiで閲覧できるよう工夫しました。その結果、カードからのアクセス数は目に見えて伸び、実際の来客数も増え、各施設のスタッフからもとても反響があったんです。
今後はこのLCCでのPR活動を他地域に航路のあるLCCへ展開させることに加え、日本旅行にまだ関心がない人たちへのPR活動も行っていきます。その一つに中国の大手旅行会社と協力して、旅行会社のHP内に当社の施設を紹介してもらうことになりました。自社製品を持たない私たちだからこそ、施設自体の魅力にあわせ、周辺環境までしっかりとPRし、日本の魅力をアピールしていきたいですね。